チタンの価値は? スクラップにした時の価値ですか?それとも有用性という価値ですか?

チタンの価値と貴金属の価値の比較

チタンの価値と貴金属の価値といっても、商品としてのチタンなのか、材料としてのチタンなのかで変わってきます。

チタン製品と貴金属で作られた製品を比べるとき、その原材料の価値が知りたいと質問を受けます。
お値段が高いのは貴金属ですが、スクラップにするのも簡単で、お金に替えられます。一方チタン製品は、原料を製品にする過程でコストが上乗せされます。原材料費よりも造るコストが大きいですし、チタンをスクラップにして再利用するとなるとそのコストの方が高価になります。

チタンとプラチナの価値比べ

プラチナは投機目的で相場によって売ったり買ったりされています。金の価格の方がプラチナよりも高くなりました。一時的とみられていたプラチナの下落もすっかり定着し、今後もプラチナの割安感は続くと見られています。コンサートチケットがプラチナチケットと呼ばれ、最も高価というイメージを持っていますが、人の心理により、高騰したり、暴落したり価格変動があり、操作もされます。

・チタンにはその素材の丈夫さという高い価値があります。

・プラチナは金属アレルギーになりますが、チタンは金属アレルギー症状を起さないという安全面での高い価値を備えています。

材質の有用性の価値はチタンの方が高い

価格が高いにも関わらずすぐに変形し、傷になりやすいプラチナ製品に比べ、チタンは切削にコストがかかり原材料よりも加工費により高くなりますが、それでもプラチナに比べれば、値段的に手に入れ易く強度がプラチナより優れ長持ちさせることができる素材。

価値の中にある付加価値

価値が成長していくものもある

製品の価値はデザインが大きく担います。材料となる金属の特性を最大限活かしたデザインによってさらに価値が吹き込まれます。
結婚指輪の場合は、結婚というスタート地点からパートナーの分身的な愛着がこめられ、時を刻々と刻まれていき、その結婚指輪は年月をともに成長していきます。始めはまん丸だった指輪は指に自然になじみ、プラチナの場合は柔軟に変形し、その人の指の形になっていきます。

チタン製品が多くの企業により研究され商品化されている理由は、この有用性にあります。

チタンとジルコニウムを比較しても、ジルコニウムという金属の有り様で製品化されたものは原発の燃料棒以外にはあまり見当たりません。有用性がチタンのようにないからです。
ジルコニウムの場合は、金属でなく、ジルコニウムセラミックという姿で歯科で製品化されていたり、ジルコニアとしてダイヤの模造品として出回っていたり、ジュエリーでも白いセラミックの様態になっています。

金属チタンのジュエリー素材としての価値

結婚指輪をチタンで

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チタンを手に入れるでも、チタンを手入れするでもなく、チタンに手が入ること

チタニウムは工業製品の素材で、ジュエリー、アクセサリーの素材ではありませんでした。チタンの硬さが手を拒み続けてきたため、チタンアクセサリーの歴史は浅く、携わる人もいませんでした。その硬いチタンに、手を加える、形を与え、削り、言うことをきかせるには特殊なデザインと加工性に対する深い造詣が無いとできない仕事。ねじやビスやワッシャーを削る工業製品にはありましたが、当時チタンはあまり知られていない金属でした。

ジュエリーの歴史からはみだして作りたいというあまのじゃくな性格がチタンへの探求心へのモチベーションになったと思います。