プラセボと化粧品

薬のプラセボは自分自身実感するところが多いし、化粧品についても、高級そうなパッケージデザイン、CMや知名度、何よりもお値段が高いとぜったいに効き目があってきれいになる強いイメージが刷り込まれ、まんまとそれにあやつられています。灼熱のじりじりの太陽から日差しを遮るプールサイドのパラソルに10000円払い、その後日焼けのケアで肌を白く戻すシミ取り美容液に10000円を払って日焼けを帳消しにしようとする、CMとか消費に振り回され、プラセボに暗示にかけられ。広告代理店とかデザイナーとかモノにまつわる物語をこしらえて、イメージをつけて売る、これって身近な化粧品だけではなく、お菓子もランチもコーヒーも薬もそのシステムにのっかっていて。ジュエリー、指輪こそその最たるもの。

ぎっくり腰で、まわりから鍼を薦められはしたものの、それもプラセボだとつくづく思うのはひねくれているからでしょうか。カルテのPCの方ばかり見て、さっとレントゲン取っておしまいのドクターよりも、うんうんと話をよく聞いて手当てして時間をかけて針をうってくれる信頼できる鍼灸師の方がプラセボはばっちりなんだと思います。実際は自然治癒でしょう。

でもそれでいい。効くと思って飲んだ単なるビタミン剤で治る、きれいになると思いこんでつける化粧品で、肌がケアできる。高いから大事にする、とてもよいと納得しているから着け続ける結婚指輪。デザインもプラセボです。付加価値はプラセボです。

そしてプラセボのおまじないが一瞬にして奈落の底へと落ちてしまう、魔法が一瞬で血みどろになってしまうものがあるーそれがフェアトレードではないと知ったとき。紛争ダイヤだとわかったとき。紛争鉱物タンタルだったとわかってしまった時。