タンタルの原石コルタンは村人が、子どもたちが素手で露天掘りできるような採り易い鉱石なので、武装軍によって収奪され、それが資金となって武器となって延々とDRC東部、ルワンダ周辺地域戦争が終わりません。無法地帯になっているから、罰するといった概念も交渉の席に着くということも、先進国の描く絵空事のようになってしまいます。だったらその資金源を止めてしまえばいいというと、そうなれば地元の収入はもっとなくなって困るのでは?という問題もあります。けれども豊富な武装資金が流れ込んんでいる状態のままでは、たとえ軍事力で介入され行使されたとしても、コンゴの紛争は解決できないのです。紛争当事者を潤わせているのはレアメタル、タンタルの取引で世界中から得ている資金だということも、なかなか世論に認識されません。
紛争ダイヤモンドの場合には武装勢力への武器の禁輸、石油の禁輸、渡航への制裁が実施され、紛争継続手段の断絶へ向けた制裁が行われました。
コンゴのレアメタル紛争の場合、どこをターゲットにどう効き目があるのか、研究している人がいるのを知りました。
現代アフリカ 紛争資源をターゲット制裁は紛争解決をもたらすか 華井 和代
なぜ制裁が進まないのですか 大国の利害
国連が介入しても、国連の中にもそのコンゴ民主共和国から出てくるタンタルでおいしい汁を吸っている大国も混ざっているから、利害関係が生じます。
タンタルを利用しているのは携帯電話であり、プレイステーションでありにんてんどーDSでありipodでありノートパソコンでありipadであり。充電して使うものすべて。。
ヒューマンライツウォッチ 犯罪への法の裁きを適切に確約する能力も、十分な中立性も持ち得ていないコンゴ民主共和国の司法制度 で処罰なき人権侵害が今もなお継続中。
レアメタルが豊富な国土から潤うことなく、1990年代以降、DRCコンゴ民主共和国は、レアメタル鉱山の警備員、民兵、およびコンゴの兵士たちが採掘権威を掌握し、鉱山の密輸から利益を得ている一方で、武器を振り回し、女性に対する性的暴力を犯しているという一連の犯罪に国も大統領も国際社会も黙認が継続中。
シエラレオネのダイヤモンドとコンゴのタンタルの違う点
シエラレオネもコンゴ民主共和国も、人権侵害、紛争が起きていて、人々が関心を持って認識が生まれ、企業への不買運動やイメージダウンを恐れた業界がじわじわ動き出して、大きな世論となり、政府や国連が腰をあげるという構図があるとして、大きく違う点はダイヤが高級品、あのキラキラのファッション誌を飾るセレブリティーのためのハイジュエリーのイメージを持っているのに対し、タンタルは原鉱石が精錬されたらもう姿かたちを変えてどこへどう製品となって出回るか目にみえなくなって生活必需品となってりまうところです。世論を動かそうとしても動いてくれない点です。
紛争解決に貢献したダイヤモンドの高貴なイメージ
ダイヤモンドと一言でひっくるめて言いますがたいていのダイヤは汚い石で、茶色い不純物が混ざっていてただの石、硬いだけがとりえの石がほとんどで、100円均一のダイヤモンドやすりにまぶしてあるだけの工業用の石、それもダイヤモンドです。その中でも選びに選び抜かれて透明で不純物が完璧に近い奇跡の石のほうだけが脚光を浴びるあのダイヤモンドになるのです。そして川をさらえばあのキラキラダイヤモンドが流れてくるのではなく、研磨職人によって奇跡の透明なまっさらな上質のダイヤだけが鑑識眼によって選ばれてジュエリー店に並ぶのであって、その工程の方が人件コストも販売コストもデザインコストも宣伝コストもかかっているから価値が位置づけられます。どんなダイヤでもダイヤモンドになれるわけではありません。単純に鉱山からダイヤモンドが採れているわけではないのに、そのきらびやかなエンドユーザーのセレブのイメージを上手に使って世論から業者へプレッシャーをかけることで理不尽な紛争をやめさせるための大きな材料の利用に成功できたというのがシエラレオネの紛争ダイヤの実情でしょう。ダイヤが悪いのではなく、仲介して紛争ダイヤをロンダリングする業者サプライチェーンがまかり通っていて。
紛争フリーキャンペーン
enough projectという団体があります。inough project 動画
紛争ダイヤがどこでロンダリングされるかを見つけ出すための紛争フリーキャンペーンが世論の認識を高め、企業へ圧力をかけることにつながれば前進。紛争フリーキャンペーンで、使い終わった携帯電話を送ってそれが寄付になるものや、現地にものやおかねを送るキャンペーンなどもありますが、現地のひとに送ったり、現地を助けるというよりも、エンドユーザーの認識を広めるためにキャンペーンをするのが最も効果的。調達元にそれぞれの調達元がプレッシャーをかけていくこと。
タンタルの調達ルートをたどれますか?
紛争鉱物タンタルの追跡
責任ある取引Responsible Trade、Mike Loch氏
Dodd-Frank改革・タンタルのような紛争金属の問題に対する世界的な認識を高めるには。
調達元を追跡するのは簡単ではありません。鉱山から商社、輸出業者、他国を経て精錬業者に至るまで、企業は原料供給ルートで多くのトレーダーを経なければなりません。AppleがiPhone用のタンタルを調達し、General Electricが電球用のタングステンを調達し、ジュエリー屋さんが1組の18金のマリッジリングにゴールドを調達するにはいくつもの工程があります。
シエラレオネのダイヤモンド採掘現場のドキュメンタリー映画を見てきました『ダイヤモンドの来た道~シエラレオネ 採掘現場の声~(原題:Voices from the Mine)』本編上映(約35分/日本語字幕付)
村上千恵氏(ダイヤモンド・フォー・ピース代表理事)による講演
資源を掘るコンゴで、あるいはシエラレオネでダイヤを掘る村人が賃金ももらえず搾取されるなら、「もうダイヤモンドを掘らなければいいのに。ダイヤは食べられない、タンタルは食べられない、お腹が満たされないなら、ダイヤではなくて、土に作物を育てればいいのに。」という疑問がわいてしまったけれど、その次の瞬間、フランス革命で市民が食べるパンがありませんと聞いたマリーアントワネットが「パンが無ければお菓子を食べればいいのに」と返したというのをふと思い出しました。アフリカへの理解が浅く、搾取に巻き込まれないように畑仕事をすればいいのにと思ってしまうところがもう平和ボケであります。
DRコンゴではもうサバイバルに必死で自然が美しいとかそんなこと考える余裕もなければ、自分の家でぐっすり眠ることさえ出来ず難民化し、いつ武装軍に襲われるかわからない、逃げるしかない、耕せば農作物が出来るにもかかわらず、村を棄て逃げなければならない、そうして残されて草ぼうぼうになっている空っぽの村があるのです。農業ができるなら土地は肥えていて十分自立できるにもかかわらずWFP( 国連世界食糧計画 )の食料援助に頼らざるをえない。(世界最悪の紛争「コンゴ」p.62)
資源の原産国で採掘に携わる貧困層へ教育や安全な暮らしを供給できるようになれば、フェアトレードを通して途上国へ貢献できているとわかれば、ダイヤモンドやレアメタルのエンドユーザーも社会貢献できることになります。
ブームになったフェアトレード
フェアトレードマークが貼られたコーヒーがアンフェアなコーヒーと並んで陳列されているのを日常目にします。ひとつのお店の中で、フェアトレードを扱うというポリシーではなくて、仕入れ元さんがフェアトレードマークというお墨付きを取得しているか否かの違いのように。
フェアトレードの結婚指輪
フェアフォンというフェアトレードの携帯電話があるように、結婚指輪もフェアトレードでなければいけません。Bandi Mbubi: バンディ・ンボビ「携帯電話にもフェアトレードを」
フェアトレードというワードにしばしば引き合いにだされているのは、どれも高級品イメージ付加価値のつけられ喧伝されたアイテムです。高級チョコレートVSカカオ生産者、高級ジュエリーVSシエラレオネの児童労働、フェアトレードの指輪、エシカルなジュエリーとは何でしょう?エシカルな結婚指輪、フェアトレードのウェディングバンドとは、まるっきり対等じゃないフェアじゃない生産者そ困ったまま黙認しない、困っている生産者へめぐりめぐって貢献できる製品を作ることです。発展途上国を救うとか社会に貢献するなんてそんな大それたことはできないけれど、せめて私自身の視点は変えられると思うしかありません。
¿ QUÉ ES EL COLTÁN ?
コルタンって?マンガでわかりやすい動画(スペイン語)
参照資料 コンゴ国連制裁委員会