ハイドロ銀チタンと日本の理科の失敗

チタンは身体に何も影響を及ぼしません。だからいいのです。アレルギーが起きないから安心。だからマスクにもアレルギーが起きません

東京メトロの電車内の中吊り広告が車両内すべてがハイドロ銀チタンの花粉マスクの広告で埋め尽くされている車両に乗りました。
紙媒体だけでなく、映像でも流れているCM描写を見ると、歌舞伎風の赤い悪に見立てた役者の真ん中に青で龍が飛び出し赤をやっつけるイメージが描かれていました。銀チタンイオンなるものが花粉を水に替えてやっつける的なストーリー仕掛けです。

まじめにチタンを作っている者として、広告のチタンにピーっと反応します。
チタンの物性を調べ、金属アレルギーに有効な特性を知る者として、まず「銀チタン」というメタルは私の作る指輪なら出来ますが、マスクではないでしょう。マスクの主成分は不織布です。
銀でアレルギーのある人がおおぜい居ますので、銀イオンと言ってしまうと、マスクのせいでアレルギーになる人がかなり出てしまいます。
実際にメーカーさんからは、注意書きとして「肌のしびれ、赤くなるなど、肌にあわない症状を感じたら、すぐに使用を中止してください。」とあります。皮膚をしびれさせる可能性のある成分、赤く炎症を起させるかもしれない成分も入っていると言っています。

チタンが練りこんであるというのか、水溶性チタン(*S)なるものが含ませてある不織布なのか、チタンであれば安全なのでチタンが選ばれるのはわかります。
でも銀はアレルギーになる人がいるのですからAg+パワーといっても銀のマスクでかぶれる可能性はあります。

マスクに「銀チタン」?

メタル製の指輪でも「銀チタン」という名前をつけて掲載したことはありません。一部シルバー製指輪とか一部チタン製指輪と明記します。
マスク販売戦略として銀パワーとかチタンのパワーを利用する意図だというのはわかりますが、マイナスイオン?というコマーシャルから出た造語がちまたでひとり歩きしているのを見て、なぜこんなにもみんながイオンに対して摩訶不思議な印象を植え付けられたかなあと常々思います。なぜかといえば、それは広告媒体からの刷り込みだと思います。家電売り場でも、パッケージに普通のドライヤーよりもマイナスイオンと書かれたドライヤーの方を買ってしまう方もいらっしゃるでしょう。

滝の陰イオンはできたそばからたちどころに酸素のプラスに吸着してプラスマイナスゼロになります。
わざわざ滝まで出掛けて行かなくてもリフレッシュしたければ自分に霧吹きで一瞬のマイナスイオンなるものが出たとしても測定値で表わせないほど瞬間的にプラスと相殺されてしまいます。
イオンが気体でいられるためには、よほどの電気を加えるなど仕掛けが必要です。イオン原子が気中では安定していられないからです。
イオン化傾向を中学の理科で教えられても、液体、水溶液に溶けた金属イオンのおはなしで、気中のイオンというのは理科に出てこない、そのせいで、日本人がみな、マイナスイオンという商業語に洗脳されてしまっているのは、日本の小学校中学校教育の”理科の失敗”のたまものだと思えてきます。中学の理科の先生に直訴したいくらいです。

ハイドロとか銀とかチタンとかそういった名前をつけるのは、商品のネーミングですからビジネスをする企業の自由な創造性で、ハイパーでもゴールデンでもプラチナムでも良いわけですし、銀でなく白金でも良いわけです。消費者側が勝手に何かを期待する妄想の賜物です。健康志向の結果です。

実際にはマスクは水蒸気で満たされるだけです。マイナスイオンなるものがあたかも悪い花粉を取り込んで魔法のようにクリーンな水にして浄化して悪さをしないようなファンタスティックなグレイトなマスクや空気清浄機というのはイメージです。花粉は水に変身しません。
ハイドロ銀チタンについてのコメントしている人で、「ぼくは花粉を鼻水に変える特技を持っています」と書いている方の投稿を見て爆笑しました。

マイナスイオンが空気中のハウスダストや花粉をキャッチして綺麗な空気に替えてくれるプラズマクラスターという広告を出している大企業は行政から措置命令(*1)を受け、広告がまずかったのはお詫びしますがその掃除機にはなんら問題がありませんと発表しています。

チタンが生体電流を整えるというのも妙なストーリーです。確かに顕微鏡サイズとなれば生体の個々の細胞にはイオンチャンネルがありますが。チタンは電気を通しにくい部類の金属ですし磁石もくっつかない金属です。生体電流というとなにかからだの表面に電流がスタンガンで流されているようなビリビリしたイメージですが、実際には、あらゆるすべての物質はエネルギーを持ち得ているのであって、その物質、細胞ひとつひとつが、分子であり電子を持っていてそれが動いているのは身体だけでなくあらゆるものに化学エネルギーがあって電位差があるのはあたりまえのことです。何もチタンネックレスをして肩こりが治ることはありませんし、チタンの指輪をしたから生体電流の乱れが治るわけでもありません。チタンは効き目が無いから人体に無害でセーフと言えるのです。

銀イオンで消臭という商品は、銀イオンがそのままイオンで居られるためにどのような複合物質で添加しているのか、調べだしたら眠れなくなりそうです。
イオンの公的測定法でも考えてくれたら良いと思うのですが、本物の化学者さんたちはどう思っていらっしゃるのでしょう。

ついでにアルカリイオン飲料というもの、アルカリイオンというのも化学の学術用語はなく、ビジネス造語です。ドリンクのペーハーは測れても「アルカリ性のイオン」というものは存在しませんし、アルカリイオンドリンクを飲むと病気が治るわけではありませんし、そのような筋書きだともうコーラで歯が溶けると同レベルなおとぎ話です。

陽イオンと陰イオン。さらにハイドロ銀チタンをくわしく
資料:サイエンス別冊newton [イオンと元素]
*1大企業への消費者庁からの措置
マイナスイオン/国民生活センター

*S 水溶性チタン
水溶性チタンは、乳酸その他のキレート剤によって水溶性を持たせた化合物
水溶性チタン化合物
金属のチタンとは違う液体

接触性皮膚炎 原因物質ジャパニーズアレルゲンパッチテスト成績のまとめ論文

チタンは海中で錆びないのですか?地中の酸化物が還元されて「金属」になれたメタル VS もともと金

酸化物が金属として精製されてぴかぴかの金属になったものと、もともとぴかぴかだった金

いわば天然の状態から金属だった不活性金属。土の中にいた時から金だったゴールド。それに対し
人工的に精製されて還元してもらったから金属の姿をしているメタル。わたしたちが知っているぴかぴかした金属には、生まれたときから金属の姿をしているメタルと、まったく別の原料の姿で地中にあったものを金属の姿に変身させたメタルとかあります。

金属にはいろいろあって、地中でもともと光っていた金は、古代の人にも見つけ易かった。それに対して酸化物として地中にあった原料を還元して手に入れた精製された存在である金属があります。
その反対の代表がみんなが知っている金属:鉄。土の中とか岩の中にあってもともと酸化していたのを人の手で還元して金属という存在にしてあげた鉄。だから戻りたい。本来の姿、酸化物に戻りたがる。これが熱力学的に安定の状態へ酸化したがる性質≒”もどりたがーる”性質:活性化したがる。
電気化学的に反応するというと酸化反応、還元反応。安定の方向へ反応したがるのも無理は無いこと。だってもとの姿、自然の姿に戻りたいのだから。腐食されては困る人間の立場からみると、腐食してしまった、困ったなということになるけれど、メタルの立場から見れば、こんなきれいなぴかぴかな金属状態でいるのはつらいよ、はやく地面の中に戻りたいと言っているような、金属の声が最近聞えてくるようになりました。
貴な金属、卑な金属と分類されているのは、この”もどりたがーる度”で数値的にあたかも優劣のように決められてしまっていると私は理解しています。不活性金属が貴、活性金属が卑に相当しています。

でも実際には金属たちの電位は、環境と金属の表面状態で異なっています。
酸素のあるところ、つまり人間の生活空間では、チタンは貴金属プラチナと同等の貴な状態です。優なのです。
では海中では、地中ではどうでしょう。金銀銅という貴金属と呼ばれるメタルよりもチタンは安定な状態です。海でも優です。貴な金属を上、卑な金属は下ともとらえられます。酸素があれば活性化しないチタンは貴金属をしのいで上位な立場にあります。

生活の中で目にする金属の多くはイオン化すると +(プラス)イオンになります。
つまり、電子を失ってイオン化したい、「もどりたがーる度」がイオン化傾向。傾向が高いとか低いという言い方をされます。金属が電子をやりとりするから酸化反応、還元反応があるので、eの放出のしやすさ、その尺度がイオン化の尺度があります。

「錆びる」「腐食する」の第一原因はこのイオン化(≒活性化)から開始されます。もどりたがーる≒活性化
鉄が海中や地中で錆びて朽ちて土に返る。ポピュラーで金属といってイメージされるのが鉄なので、金属はさびると思われているので、チタンは錆びないのですか?という質問がなされるのですが、チタンは活性な金属なのにヒトの生きている環境では不活性な金属。

金や白金がほとんどどんな条件でも腐食しないのは、
実はイオン化するのに膨大なエネルギーを要するから。
逆に言えば、金属自体の持つエネルギー順位は低い、活性化したがるポテンシャルは低いとも。
一般的な鉄は海水で容易に錆びますが、ゴールドよりも低エネルギーでイオン化してしまうので、
水に触れるだけで水から酸素を奪ってまで酸化という反応に。そして不思議なチタンは?
チタンは本来地中で酸化物だったものなので、活性して土にもどりたがるはずなのに。もともと活性化エネルギーは高い方なのにもかかわらず、酸素がある環境では不活性な金属。
最新の技術で精製されて登場したニュー金属。

活性化してもらってはこまるのがジュエリーの世界です。皮膚の上で活性化されると、汗と反応を起こして金属アレルギーを惹き起こしてしまいます。
チタンはその反応をおこしようがない、なぜなら酸素で遮断されているから。

プラチナもゴールドもほぼ不活性金属であるのにもかかわらず、皮膚の上で活性化して反応するとはいったいどういうことでしょう。金を活性化させるほどの膨大なエネルギーを持つものの正体はヒトの汗でしょうか?

参考資料 酸化還元電位
電気分解とは

金属アレルギーだと料理にアルミ箔、缶飲料に反応する?症状が出ますか?

金属アレルギーだから缶詰食品や缶コーヒーでアレルギー症状が出ますか?
スプーンにフォークもステンレスですが、鉄鍋で調理された中華は大丈夫でしょうか?
アクセサリー関して金属ばかり心配され、日用品を除外して考えられているのでしょうか?
金属アレルギーがどの金属もダメということはありません。こちらにそういった金属アレルギーの質問と答えが載っています。

結婚指輪については毎日つけて暮らすという点で貴金属を、問題にされる方が多いと思うのですが、どの金種に反応してしまうアレルギーなのかは人によって全然違うという事です。

包丁を握るだけで手が痒くなるのか、アルミ缶飲料やアルミの雪平鍋、銅のお鍋など身の回りは実は金属だらけで生活しています。

そろそろチタンの金属アレルギー安全宣言

1998年から1例も出た事がない、神宮前に店を構えて金属アレルギーの数え切れないほどたくさんのお客様にチタンの指輪を作り続けて来たのです。チタンアレルギーが一人も出た事がないのが現実です。
皮膚科でもチタンのピアスが推奨され、歯科でもチタンのインプラントが使われているこの事実。
金属アレルギーの金属
→図録
通常の皮膚科のパッチテストはジュエリーに関係ない水銀やマンガンなどの試料があって、疑問を感じていましたが、すぐ近くの神宮前6丁目の皮膚科クリニック様でピアスに関係する金属で金属アレルギーが出るか調べられています。

金属アレルギーの原因は金、パラジウム、イリジウム、プラチナ、銅、銀の順。

どんな体外物質でも金属アレルギーの原因となりうる、チタンも絶対とは言えませんと唱え続けてきましたけれども、どれだけの事例を重ねたら告白できすのでしょう。もうそろそろいいのでは?「チタンこそ安全」と。

2.もう一つ声高に言わせてほしいこと。
金属アレルギーのパッチテストを薦めるのをもうやめよう!

金属アレルギーならパッチテストを、と誰もかれもが言うけれど、疑問に思う。
なぜパッチテストを薦められるのか?それは金属アレルギーの原因は全ての金属であるわけではないので、原因の金属を外すと劇的に改善されるからということらしい。
けれど、体内に異種金属があれもこれも混在させられる治療自体よろしくないことは医学の現場も常識になった時代。チタンを使っていれば問題は起こらないのに、骨折の治療にもチタン、インプラントにもチタン、皮膚科のファーストピアスにもチタン。そうすればパッチテストでロジウムやパラジウムやインジウムであえて赤くさせる必要がないのであります。

消防署の指輪カッターでチタンの結婚指輪が硬くて切れないはうそ

消防署で切れた結婚指輪消防署(*1)に指輪を切断するリングカッターが用意されている事をご存知でしょうか?

指輪がはずれなくなることはない

あまり指輪を着けたことがない方へ

指輪をはずすタイミングを逃して、いつのまにか指から指輪がはずれないくらい急激に膨れ上がるなどという事は、よっぽど何かの事故でないかぎり起こりません

指輪を毎日着けていて、指輪がきつく感じると、指輪をはずしたくなってしまうものです。ちょっとでも圧迫感があると、着けているのがいやになるので、すぐに外すことになります。はずれなくなる前に着けなくなってしまうものです。
ですから指輪がはずれなくなるまでずっと放って置くというのは、指輪を知らないライターさんのいいかげんな記事です。
チタンの指輪を手作りしたことのない方によって都市伝説か、デマゴギーが流布されていますが、人気のチタンの結婚指輪があまりにも硬くて切れないから危険なのでは?ということを読んだというお客さまからのご相談が寄せられました。
「はずれなくなったら危険だから少しゆるめでオーダーしておいた方がいいのですか?」
と聞かれることもあります。将来のはずれなくなる予定もないのに、ジャストでないサイズで作る必要はありません。将来太るかもしれないからといって、大きめサイズで作ってしまって、いつのまにか失くしてしまったのでもう一度ジャストサイズの結婚指輪を作り直したいと、来店されるお客様も居ます。

消防署でもチタンは切れない?

「チタンが硬いから消防署で切れない」というのはうそで、実際に急なご病気が原因で慌てて消防署で切ってしまった事例があり、工房に実際に真っ二つにカットされた指輪のパーツ二つをお持ちいただいたこともあります。
消防署は結婚指輪を切って指から外すときどうやって切るか、皆さんはご存知でしょうか?リングの対面の2箇所カットするのです。一箇所を切って拡げて指からはずすのではないのです。180℃の位置で円を2箇所切り込みを入れて安全に外してくれます。

チタンですからプラチナのようにすんなりは切れません。チタンリングはゴールドの指輪のように簡単には切れません。署員さんは指輪カッターの刃を途中で交換し、替え刃2枚使って切ってくれました。おかげでカットされたチタンの指輪の断面はスパッととても美しい断面をしていました。切れ味の良い刃を使ったことがわかります。消防署員さん2人がかかりで。
でも、極端なお話ですがすずめ蜂に刺され指輪を外さなければいけなくなった緊急時、チタンの結婚指輪は切れないから危険だ、プラチナの指輪なら簡単に切れるから安全だということにはならないでしょう。
タングステンの指輪の場合はリングカッターの刃の硬さを上回るかもしれませんが、国産純チタニウム100%は加工可能な金属です。手彫りしたり、切れ目を入れたり加工出来、思い通りのオーダーメイドで、どんなデザインも思いのままに手作りできる金属です。なおかつ傷つかない丈夫で金属アレルギーの味方という唯一の金属素材なのです。
(*1)東京消防局来署するには事前に電話連絡を入れて時間を伝えてからとのことですが、指輪は入ったものは必ずはずせます。脂肪は移動します。
指輪が抜けずらいのは、関節の皮膚がだぶついて、ストッパーのようにひっかかってしまうだけです。関節にデンタルフロスを巻きつけたり、セロテープを張ったり、簡単に抜く方法はあります。焦らないでクールダウンすれば、潮の満ち引きのように、抜ける時間帯があるのです。
突然のご病気で、細胞の浸透圧が調節できないような急激なむくみでなければ、指が細くなる時間帯を待ってはずすことができます。太っても人間のからだの60%が水分です。骨が太るわけではないので、指輪はこつがあればはずすことができます。

金属アレルギーと、ジュエリーアレルギーの調べ方

金属アレルギーのパッチテストは、受ける側がジュエリーに対して調べたいと
受診した場合、皮膚科のパッチテストセットはパックになっていて、調べる金属アイテムはジュエリーに対しては、医院によってはトンチンカンな試料が用意されてしまっています。もうテストコースメニューというか、セットになってしまっているので。
ドクターはジュエリーにあまり興味をお持ちでない。
水銀がテスト項目に入っているのは、昔学校の保健室で塗っていた赤チンに水銀が
含まれていたからではないでしょうか。水銀には強い殺菌力があったのでむかしはそうした有害なものが人体に塗られていたのでしょう。水俣病もあった。そのなごりでパッチテストを受けてもジュエリーに水銀が使用されることはありません。

ジュエリーをつけてみて、どうなるかを知りたい場合と歯科で口腔内での金属対策をしたいのか、もっと目的別に検査出来なければ意味がありません。
ゴールドのジュエリーでも含まれている金種はさまざま。そういう金属に造詣の深い皮膚科といってもむりかもしれません。パッチテストはしなくていいと思うのです。
いろいろな金種を用意してジュエリー店で試料を用意して実際に身の回りにあるジュエリー、アクセサリーの金属でテストできるようにすれば皮膚への負担も軽くて済むのでは?
アレルギー性接触皮膚炎が発症するメカニズムはどのようなものですか?公益社団法人日本皮膚科学会
金属アレルギー現状報告/東北大学
パッチテスト陽性反応上位の試薬
1位 塩化コバルト
2位 硫酸ニッケル

チタンのジュエリー素材としての価値

ジュエリーの素材として新しく進出してきている素材にレアメタルと呼ばれるチタン、タングステン、サージカルステンレスなどがあります。

チタンとタングステン、サージカルステンレス、どれが高級なのでしょうという質問を受けました。
プラチナが高級で金が若干下・・・みたいな序列的なものが新素材にもあるのかな・・・と
材質だけで価値判断できると思われる方もいるようですが。

ジュエリーとしての価値はそのデザインやどれだけ手が込んでいるかで付加価値がついてくるわけで、一概に材質が高価だからということは言えません。

貴金属でいえば、最も高い相場で取引きされるプラチナを筆頭に、金、そのあとに銀といった順番はあっても、ジュエリーとしては、ペラペラの粗末な造りの量産されたプラチナリングよりも、ゴールドのしっかりしたデザインの一点ものの指輪の方が高価な例も多々あると思います。

チタンとタングステン、どちらがえらい・・などと言うことはありません。
素材だけに関して言えば、チタンもタングステンもサージカルステンレスも、換金できる貴金属とは別物の工業製品の材質です。

結婚指輪の場合、永く着けるのだから耐久性も気になるし、丈夫で硬い方がいいという気持ちが働くもの。純プラチナ1000や24kゴールドはとてもやわらかく、ピュアが結婚の象徴と謳われるのとは裏腹に、とても歪みやすく日常で使ってしまうと数週間で変形してしまいます。ピュアで純度100%で丈夫な金属といえばダントツにチタンが揚げられ、傷になりにくく、変色しにくく、研究対象として申し分ないおもしろい金属がチタンなのであります。

強さを表すのに、「ゾウが踏んでも壊れない」とか100人乗ってもというのがありましたが、チタンも車にひかれても大丈夫とか劇薬でも大丈夫とかと言いたいところではありますが、果たして想定の必要があるかどうか。チタンは硫酸でも大丈夫なのですがチタンリングをはめて硫酸触っていいですとは言いたくありません(>_<)高濃度アルカリにと言う前に指輪より指が大丈夫ではないです。

チタンは反応しない 体質に関係なく金属アレルギーに安心だと言える なぜならチタンは金属イオン化しないから

チタンと金属アレルギー

金属アレルギーに対する知識については常に更新され、研究され発表がなされています。それについて思うことがありますので書きます。

基本的に、あらゆる体外物質がアレルギー原因となる可能性があります。自然のお花も草も。

花粉やブタクサが原因の空気伝播性アレルギーのように、無害なのにからだが反応するわけは、それだけ人間に近いからだとか、接した経緯があったからだとか、どんどん身体に新しいものが入ってくるからアレルギーとなって現れるとかそういったおまじないのようなことでアレルギーが出てくるのではありません。

以前は、チタンと金属アレルギーの関係を、チタンがまだ感作例が報告されていないのは、人類にとって歴史がなく、日常品として出回っていない、接触してきた歴史が無いからと、まるで体質によっては同じ金属なのだからチタンもジルコニウムも今後百年もして、チタンのマグカップで飲み物を飲み、チタン製フライパンで皆が調理し、チタンチタンの生活になったら、チタンアレルギーの体質も出てくるかも知れないといった間違った知識でいました。

しかしこれはとても古く、あやふやな知識。

チタンの金属アレルギーが起こらない理由は、皮膚界面でチタンが無反応だから

金属が固体の金属のかたちのまま皮膚の中に入り込むことはできません。金属イオンになって金属から離れて皮膚に移動する必要があります。
ニッケルやクロムや銅などの金属は汗に含まれる塩素、乳酸などによりイオン化してしまうので、からだに入り込んでから、合う合わないといった体質との相性によってアレルギー作用が起こってしまいます。

屈強な防御壁≒酸化被膜を作るのがチタンの特徴

しかしチタンはまず皮膚界面でイオン化できない性質の金属なので、からだに入り込むことができません。金属イオンとなって皮膚に移動する前に、酸素分子が吸着してきて防御壁を築いてしまうからです。このような防御壁を酸素分子によって築く金属はほかにもあります。CDの表面に蒸着しているアルミニウムもチタンのようにレインボーになります。その防御壁の厚みの違いでシャボン玉のような光の拡散を生み出します。チタンのような被膜は他の金属にもありますが、チタンの場合はその壁の緻密さ、強靭さが違います。汗によって崩されるものではありません。
従いましてどんな体質でもどれだけ人体に関わってもこの先もチタンが皮膚によってイオン化できる環境がないので作用も起こらない、金属アレルギーが起きないのです。

一般の接触性皮膚炎にはいろいろな原因がありますが、T細胞が深く関わっているという研究結果がでています。
チタンをイオン化させることは自然界では起こりませんが、無理やり電離させるような外からエネルギーを与えれば塩化物によってイオン化させることはできますが、実験室で普通は手に入らない劇薬を使って装置を使う話と、皮膚の界面で起り得るイオン化の話をごちゃまぜにしていると勘違いがおこります。
チタンというのは酸素に親和性が強いことにより、酸素分子とくっついて、チタンが劣化されない防止膜を瞬間的に張り巡らしてしまう特性を持っています。この防止膜(酸化被膜)を汗の成分が突破できることはありません。チタンの酸化被膜を突破できるような強力な汗をかく人の手は、触る物すべてを溶かしていってしまうでしょう。電車の手すりも溶け、水道の蛇口をもとかしてしまうような手汗をかく人は存在しません。人の汗はだれしも同じpH値範囲内に保たれています。
皮膚科による接触性皮膚炎の解説
金属アレルギーをひきおこす病原性T細胞を発見

金属アレルギーの最初の感作のきっかけ

アレルギーというのは、前もって体内に取り込まれているアレルゲンに対して、身体が拒否反応を起こすわけですが、単に見に着けるだけのアクセサリーなのに、いったいどうやって体内に取り込まれてしまうのでしょうか。

    金属をアレルゲンとするアレルギーのきっかけと考えられるケース

  • 金属が汗などでイオン化して皮膚から取り込まれてしまう。
  • ピアスの穴をあける際、傷口から接触してしまう。
  • めっきされたアクセサリーが頻繁な使用により磨耗し、下地のニッケルが皮膚に接触し、汗によりイオン化して皮膚から侵入する。
  • 歯科治療で使用された詰め物の金属が口内から体内に入る。
  • 歯科で使用される金属はアクセサリー、ジュエリーの素材とまったく同じではありませんが、パラジウム、シルバーなどの合金という点で共通の素材です。

金属アレルギーの原因

金属アレルギーの原因となる物質は、アクセサリーの素材に含まれる金属アレルゲン。クロム、ニッケル、コバルトを筆頭に個人差があります。アクセサリーにはチタン以外、通常の貴金属は純金属でない場合が大いにあります。ゴム製品加工に使われる化学物質、漆に含まれるウルシオールなど。

アレルギー性皮膚炎を回避するには、アレルギーh原因物質を検査、特定し、そういう金属のアクセサリー、ジュエリーを身に着けないことで避け、金属がイオン化しやすい汗をかく時期には避け、冬だけ着けるといった工夫も必要です。