チタンは海中で錆びないのですか?地中の酸化物が還元されて「金属」になれたメタル VS もともと金

酸化物が金属として精製されてぴかぴかの金属になったものと、もともとぴかぴかだった金

いわば天然の状態から金属だった不活性金属。土の中にいた時から金だったゴールド。それに対し
人工的に精製されて還元してもらったから金属の姿をしているメタル。わたしたちが知っているぴかぴかした金属には、生まれたときから金属の姿をしているメタルと、まったく別の原料の姿で地中にあったものを金属の姿に変身させたメタルとかあります。

金属にはいろいろあって、地中でもともと光っていた金は、古代の人にも見つけ易かった。それに対して酸化物として地中にあった原料を還元して手に入れた精製された存在である金属があります。
その反対の代表がみんなが知っている金属:鉄。土の中とか岩の中にあってもともと酸化していたのを人の手で還元して金属という存在にしてあげた鉄。だから戻りたい。本来の姿、酸化物に戻りたがる。これが熱力学的に安定の状態へ酸化したがる性質≒”もどりたがーる”性質:活性化したがる。
電気化学的に反応するというと酸化反応、還元反応。安定の方向へ反応したがるのも無理は無いこと。だってもとの姿、自然の姿に戻りたいのだから。腐食されては困る人間の立場からみると、腐食してしまった、困ったなということになるけれど、メタルの立場から見れば、こんなきれいなぴかぴかな金属状態でいるのはつらいよ、はやく地面の中に戻りたいと言っているような、金属の声が最近聞えてくるようになりました。
貴な金属、卑な金属と分類されているのは、この”もどりたがーる度”で数値的にあたかも優劣のように決められてしまっていると私は理解しています。不活性金属が貴、活性金属が卑に相当しています。

でも実際には金属たちの電位は、環境と金属の表面状態で異なっています。
酸素のあるところ、つまり人間の生活空間では、チタンは貴金属プラチナと同等の貴な状態です。優なのです。この為チタンは腐食しません。
では海中では、地中ではどうでしょう。金銀銅という貴金属と呼ばれるメタルよりもチタンは安定な状態です。海でも優です。貴な金属を上、卑な金属は下ともとらえられます。酸素があれば活性化しないチタンは貴金属をしのいで上位な立場にあります。

チタン錆びるかチタンは錆びないか論

なぜ錆びると唱える人とチタンは錆びないと言う人が分かれるのですか?チタンが”裸”になる時
それは錆びというワードの誤解。
チタンの酸化被膜はバリアーであり錆びとは違います。錆びというのなら侵食が進行する状態、素材的に劣化していく状態をサビと言うのですが、チタンはこれに当たらないのが現実。酸化膜が生成されても腐食へ徐々に近づくのとは全く違った状態。ここが錆びと違う点。

生活の中で目にする金属の多くはイオン化すると +(プラス)イオンになります。
つまり、電子を失ってイオン化したい、「もどりたがーる度」がイオン化傾向。傾向が高いとか低いという言い方をされます。金属が電子をやりとりするから酸化反応、還元反応があるので、eの放出のしやすさ、その尺度がイオン化の尺度があります。

「錆びる」「腐食する」の第一原因はこのイオン化(≒活性化)から開始されます。もどりたがーる≒活性化
鉄が海中や地中で錆びて朽ちて土に返る。ポピュラーで金属といってイメージされるのが鉄なので、金属はさびると思われているので、チタンは錆びないのですか?という質問がなされるのですが、チタンは活性な金属なのにヒトの生きている環境では不活性な金属。

金や白金がほとんどどんな条件でも腐食しないのは、
実はイオン化するのに膨大なエネルギーを要するから。
逆に言えば、金属自体の持つエネルギー順位は低い、活性化したがるポテンシャルは低いとも。
一般的な鉄は海水で容易に錆びますが、ゴールドよりも低エネルギーでイオン化してしまうので、
水に触れるだけで水から酸素を奪ってまで酸化という反応に。そして不思議なチタンは?
チタンは本来地中で酸化物だったものなので、活性して土にもどりたがるはずなのに。もともと活性化エネルギーは高い方なのにもかかわらず、酸素がある環境では不活性な金属。
最新の技術で精製されて登場したニュー金属。

活性化してもらってはこまるのがジュエリーの世界です。皮膚の上で活性化されると、汗と反応を起こして金属アレルギーを惹き起こしてしまいます。

チタンは反応済みでたんぱく質と反応できない物質です

憶測によりチタンは金属アレルギーになりにくいとかチタン金属アレルギー症状?について混同されている方が多いのですが、チタンはその反応をおこしようがない、なぜなら酸素で遮断されている酸素という鎧をまとってチタン酸化被膜は朽ちることはない酸化物。純チタンはたんぱく質と反応する前にすでに酸素と反応し終わって、その後タンパク質と反応できない。反応済みで化学反応性を失った状態ということ。チタンの酸化被膜のことをさびと呼びたいのなら、「向上さび」です。「劣化さび」とは逆のベクトルです。

プラチナもゴールドもほぼ不活性金属であるのにもかかわらず、皮膚の上で活性化して反応するとはいったいどういうことでしょう。金を活性化させるほどの膨大なエネルギーを持つものの正体はヒトの汗でしょうか?
汗に含まれる塩素によって、チタンにまとわりついた酸素の被覆層を脱することはできません。
チタンは塩素系漂白剤に浸しても侵されることはありません。
ヒトのたんぱく質と結びつかないかぎり金属アレルギーは起こりませんので、チタンはたんぱく質と結びつくことができないのです。
参考資料 酸化還元電位
電気分解とは

金属が腐食するということ
参考資料 「紫外線散乱剤の金属アレルギーについて」酸化物とアレルギーがおこりえるか?*チタンの酸化被膜のように『酸化◯◯』というようなタイプの金属を「金属酸化物」と言います。
金属アレルギーと純チタン

さび

さびはさびでもいろいろなさびがあります。例えば銅のさびは3種類
1.空気中の酸素と化合した赤っぽいさび(酸化第一銅)
2.空気中の水分と二酸化炭素などが反応した緑色のさび(緑青(ろくしょう))
3.空気中で強く熱して酸化させた黒色のさび(酸化第二銅)
などがあり、これらのさびもまた、表面を膜のようにおおって、内部を保護する役目の優良さび

塩酸に弱い鉄を塩酸に強くするさび

例えば「鉄」の錆びは赤さびと黒さびの 2 つのさびがあります。さびはぼろぼろになっていくものだけが錆びなのではありません。

赤さび(Fe2O3)…赤系オレンジっぽい色 非常にもろい。
黒さび(Fe3O4)…表面を黒さびでコーティングすれば内部が赤さびとなるのを防げる。
  ・酸化鉄…黒色 電気を通さない性質。酸化物になっているので塩酸に溶けません。
  ・反応前の「鉄」の段階では塩酸に溶けて水素を発生するのですが、酸素と反応後の酸化鉄は塩酸ともう反応しないのです。資料化合 物質の成り立ち いろいろな化学変化