純チタン 金属アレルギーが出るのはなぜ?
*本来、金属酸化物というのは金属アレルギーの原因にはなりえません。
結論から先に。
手術の場合や施術、化粧品製造の過程で混入した不純物の影響でチタンアレルギーなるものの報告が上がることが医学の論文に散見されるのは、純粋にチタンリングのような空気中で使用される環境と異なった要因が入り込むためです。
骨折箇所に埋め込まれるチタンが純チタンでも、骨に穴を空けるドリルがチタン製でない場合の微量の金属粉不純物や、固定するプレートを患部に合うように曲げるペンチがチタン製以外の金属粉が混入。施術によりチタンの人工関節を入れた例でも、異種金属が混入してしまい、体内の低酸素な条件が起こることで、ガルバニーを誘発。
指輪の着用されるような酸素のある環境ではない場合、純チタンには酸素に触れただけでたちどころに酸化物で覆い尽くされています。化学反応性を失います。よって通常空気のある場所において、金属アレルギー反応を起すたんぱく質とチタンが反応することはできません。ただし特殊な環境を用意されれば通常とは違った結果になります。
たとえアレルギー反応を起さない純チタンであっても金属アレルギーが起こる条件を満たすには、細胞内でマクロファージにより産酸される条件がチタンの酸化被膜を欠損させる、脱不動態の要因となります。人間の身体とはよくできていて、異物を殺そうとする細胞が異物に対して攻撃します。それにより酸素が供給されない体内の特殊な状態ができてしまうと反応性を失って安定していたチタンが活性になる可能性が出てくるからです。
以前は粉ミルクが缶づめの缶のふたのようにプルトップ式でした。今の大学生が赤ちゃんの頃はまだ金属粉が混入するようなパッケージングでした。ベビーの飲む粉ミルクに微量の金属粉が混入します。それに企業が気が付いて現在では金属製のプルトップ式のふたは使用されません。缶づめの蓋も缶切りで切れば必ず金属粉は混入しています。
包丁研ぎ、ナイフシャープナーも金属粉が入り込みます。
金属アレルギー患者さんに異物混入には細心の注意を払って施術されなければいけない医療の現場でそうした厳密な金属の管理が求められているのです。